ハイエクって一体どういう人?
フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク
仮想通貨のことを調べるたびに、この人の名前に行き着きます。
1974年にノーベル経済学賞を受賞している経済学者です。
現在、日本で行われている経済政策の多くはケインズによるものが多いのですが、このケインズ理論のアラ探しが上手かった人というのが意地悪な紹介ですw
誤解を恐れずに端的に説明を試みると、
ケインズ:「公共事業バンバンやってお金まわすわ」
ハイエク:「国が経済の手綱を握るな!経済は民間に任せろ!法のもとの自由経済を目指せ!」
こんな感じです。間違ってたらコメント下さいw
英国元首相サッチャー氏が首相就任演説で「これが我々の信じるものである」と取り出したのが、ハイエクの「自由の条件」であった事からもハイエクの有能さが伺えます。
そのハイエクはこんな言葉を残しています。
ある客体が貨幣の資格を得るためには、広く受け取られる交換手段でありさえすればよい。貨幣的事象の因果関係に関する限り、貨幣と貨幣でないものの間に厳密な境界線はない。
つまり、「取引にお金っぽく使えればポイントでもペリカでも、こまけぇこたぁいいんだよ!」ってことです。
これって仮想通貨のことを指しているような気がしませんか?
これから書かせて頂く内容は
こちらの文章を元に書かせていただいています。
貨幣発行自由化論
ハイエクが残した有名な文献に貨幣発行自由化論というものがあります。
要約すると、「政府による通貨発行の独占を止め、民間で自由に通貨発行ができるようにしよう」ということです。
まさに仮想通貨の世界です。
ただし、ハイエクはこうも言っています。
・世界各所で設立され、自由に銀行券を発行できる発券銀行の存在を仮定する。銀行券の名称や単位名は無断使用できず、偽造からの法的な保護があるとする。
・発行機関が通貨量を統制できる場合に限り、貨幣価値に対する責任が発生する。通貨発行者間の競争により、これまでよりも良い貨幣が提供され得るか考察したい。
先の文での「偽造からの法的な保護」は仮想通貨にはありません。システム的に偽造が不可能だから必要がないというものです。
法的な保護をシステム的な保護と置き換えるとしっくり来ると思います。
ハイエクは20世紀を生きた人だったので、仮想通貨の仕組みは当然知りません。
この文面は20世紀で考えうる形でしたので、仮想通貨はハイエクの欲する形をシステム的に補完した形になっていると言っていいでしょう。
「通貨量を統制できる場合」というのも発行枚数は決まっていますが、統制はできません。
ですので貨幣価値に対する責任は誰にも取れません。これはハイエクにもわからない結果を生むところでしょう。
統制が出来ない事が悪いと言っているわけではないところに注目です。これもハイエクが生きていれば、ぜひ考察したいところじゃないでしょうか。
貨幣競争による自然な貨幣価値の安定がなされれば、これは見ものです。
ともあれ、価格の安定しない仮想通貨はまだまだ実験段階と言えます。
もし経済の鉄人ハイエクが生きていて、仮想通貨を見た時に何と言うか。
ハイエクの文献を読み解くことでその答えを出せるかもしれませんね。
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